第3回「ソーシャル・イノベーション」セミナー1部メモ

3月20日福岡アジア美術館あじびホール」で行われたセミナーのうち、時間の都合上1部の駒崎弘樹さんの回しか参加できなかったのですが、刺激的でした。

テーマは「働き方を変えたら、何が変わる?」というもので、スピーカーの駒崎弘樹さんがNPO法人フローレンスを立ち上げ運営していくなかで1日16時間働く仕事人間から、定時帰宅人間へ転換をはかったか、という話と、フローレンスの事業である「病児保育」が生まれた背景が語られました。

聞いた感想としては、働き方の変更については著書「働き方革命」で十分わかるのでよしとして、それ以上に病児保育というサービスの凄さと今までそのようなサービスがなかった、という絶望感を感じました。だって日本って経済大国なのだぜ? 保育園は37度5分以上のこどもは預かってもらえないから、急病のこどもを持つ働く母親は仕事を休まざるをえない。会社はそんな社員を雇う余裕がない(?)ので首にする。結果日本社会は働き手を失う。

今後人口減少は見えている。働き手=日本を支える人が減るのです。だからこそ女性が活躍できる社会でないと未来はない。なのにこの社会制度の杜撰さはなんなのだろうと思う。このセミナーを聞いて改めて現状の酷さに驚くとともに怒りを感じる。このように「子供」の扱いを巡る現在の日本は、老人への手厚い保護とは正反対で背筋が凍る。

実際のところ、我が家は私が無職、嫁も無職。今後のことを考えてふたりとも就職しようと活動をしていてだから保育園に預けたいと思って申し込んでも結果落とされている。どうやら、どちらかが働いていないと月謝を払えないから、というのが言い分だそうだが、ちょっと待てよと。働きたいからまず預けて活動するわけで。片方ずつだとリスクがあるし、現在だって俺がリストラされたからしんどいんであってもし嫁も働いていたらまだ経済状況はましだったはず。だからこそ今、預けたい。貯金だってそこそこあるし少なくとも3年以上払える金はあるんだが、それでもダメ。とにかく片方が就職してからじゃないと話にならんそうだ。

というように、現在は保育園自体も少ないし、理不尽な仕組みです。そんな中、「病児保育」をカバーする仕組みを立ち上げた駒崎さんは凄いと思うよ、ほんと。

現在フローレンスでは、収入の低いひとり親でも「病児保育」のサービスが受けられるように寄付を募り、そのお金でサービスを受けられるような仕組みを作っています。私も就職が決まったら是非寄付したいと考えています。

というわけで、社会の矛盾を自分の知恵と行動力で乗り越えようとする駒崎さんをリスペクトします。私のほうが6つも年上ですが立派な人に年齢なんて関係ないですね。

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