10. 心の安定を求めて

だらだらと10月が過ぎ、このままではなにも変わらん、と思った私はとにかく自分に「何か」をプラスしないと駄目なんだろうな、と思い(+嫁の毒から逃れるため)会社説明会や県、市、ハロワがそれぞれ主催する就職支援セミナーや就職相談を利用するようにした。

無職だとどうしても他人の目が気になり負い目となって外の人との触れ合いを拒絶してしまいがち、部屋に篭りがちになる。結婚もせず子供もいなかったらそのまま一年はニート生活だったかもしれない。是が非でも就職しないといけない状況が後押ししてくれたのだと思う。普段より出かけるようになった。

11月になるとなりふり構わなくなり、とにかく登録できるものは登録する、ってことで派遣会社3件、Web 転職サイトもマイナーで聞いた事ないところまで登録し、SE、以外の業務でも可能性がありそうな職種ならなんにでも応募するようになる。振り返るとこれは無駄だった思う。

だって応募は覚悟がなくてもできるけれど、面接に出かけるとか入社するにはそれなりに腹をくくらないといけない。だけど腹をくくるなら自分に向いた業種なり仕事につかないと長続きしないもの。偶然業種を大きく変えて成功する人もいるらしいが極めてまれ。近縁の仕事に付く方が現実的だ。

内定貰った会社のうち、飲食店の店舗経営ってのがあったんだよね。東京だし、給料もよかったし、実際のところ人を動かす仕事は嫌いじゃないし、仕事でもリーダーやったり人をまとめていたから成功したかもしれない。だけど基本は技術者だから迷った挙句断った。家族や実家が福岡だから。東京はもう若いときに10年過ごしたしもういいよ。

11月でWeb、書類で申込んだもののSE、Web開発系の案件については、芳しい返事はなかった。半導体論理設計の仕事は九州壊滅だったのでSE的及びWeb開発をメインに応募をしていたんだけれどダメでした。おそらくSE、Web開発者としての経験値不足と、年齢が高いことがダメみたい。

でもね、現場ってさ、若い技術者ばかりのところもあるやん。そこに年齢的に経験を積んだ技術者を配置するっていうのは十分ありだと思うんだけれどねぇ。技術というよりリーダーとしてチームを率いるスキルとか。ここをかってくれる企業はなかったんだよねぇ。実際そういうスキルって有用なのにな。

11月の嫁の暴言は相変わらず止まらない。当時の日記をまた開いてんるんだが、シンドイよね!趣旨は「どうして私がこんな目にあわないといけないのか」「不安にさせるな」「クビになる人間は生きる価値なし」ということなんですけれども。逆に今まで結構稼いで贅沢してたんだが感謝された記憶なし。

12月。とにかく書類が通らない。Webで情報探していると、市で就職支援セミナーを無料でやっている、というのですがる思いで申込んだ。12月から1月明けまでほぼ平日毎日、朝9時から13時まで。参加者は20代中盤から30代後半まで6名ほど。よくあるポジティブシンキングセミナーだった。

だからってバカにできないんだよ。萎縮してる精神をほぐす必要があった私には有用だった。初対面の参加者同士で自己紹介の練習したり、自分のことを説明したりして自分の性格を分析したり理解したりして。その後就職するために、いかに書類を読んでもらうか?というテクニックを学んだり。

面接の練習は何度もやった。思ったようにしゃべれていないんだよね。意外と出来ていないということがよくわかったり。書類の書き方なんていうのも事細かく教えてくれました。今就職活動をしているみなさんも、市や県のそういう施設やセミナーを利用しない手はありませんよ? なりふり構わずやる。

そうしていると情報が縁が転がってくるものです。セミナーに参加しWeb系の仕事を考えている、という話をしていたら、市でそういうWeb・DTPセミナーが急遽開催されることになったから、申し込んでみれば、といわれました。Webの仕事はなんだかんだいっても需要はある。

SEとして会社に潜り込むにしてもそのあたりの知識を持ってますけれどなにか?というためにはそういったセミナーに参加したことも履歴書や面接で主張できるので有用だろう、ということで即申込みました。おそらく申込みの順番では2番だったのではないかな。受験番号が2番だったんだよね。

このWeb・DTPセミナー、無料だし仕事に使える、ということで定員30に対して100名以上申し込みがあったんだよ。選抜試験は筆記テストと面接。結局受かった人というのは、再就職の見込みがありそうな人、ってことだったらしい。よかった、再就職できそうなステータスだったんだな。

1月中旬から3月下旬までのコース。学んだ内容はフォトショップイラストレーターからDTPの実技スキルを学び、そこからドリームウェーバー、フラッシュと通常半年かけて学ぶ技術を3ヶ月、実質2ヶ月(残りは卒業制作に当てられる)という無茶なスケジュールだったらしい。実際、しんどかった。

コンピューターの知識があってもどうか、という内容だったからなぁ。あと実際実習をしてみてこりゃ向いてないな、ってのもあっただろうね。私の場合、自分にはデザインのセンスはない、っていうことがはっきりわかった。逆にそういう人と一緒にシステムを設計する業務こそに興味があるんだなと。